前回からの続きです。

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クラスにいる
アボリジニ(原住民)の子に頼んで、
家にお邪魔したりして、
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現在のDIO
(写真提供:ご本人)
★ ★ ★
ひょんなことから、
アイドルになった柴田珠実さん。
アイドルになった柴田珠実さん。
はじめは積極的になれなかったが
新しく結成されたユニットの初舞台で
彼女の負けん気に火がつく。
でも彼女には事情があって・・・?

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アイドルなのに、スペインへ?
---―みんなに内緒にしてたこと
って?
って?
柴田珠実さん(以下た):
実は、
秋からスペインに留学に行く
秋からスペインに留学に行く
ことが決まってたんです。
―え・・・。そうだったんだ。
折角、エンジンがかかった
ところだったのに?
た:はい。新しいユニットで
これから頑張っていこう!
という時期だったので、
みんなにはとても
言えませんでした。
言えませんでした。
出発の3日前まで
言えなかったんです。
言えなかったんです。
―3日前!?
た:はい・・・。
―それで、結局?
た:(スペインに)行きました。
メンバーのみんなは
私の事情も汲み取ってくれて
私の事情も汲み取ってくれて
やさしく送り出してくれましたけど、
正直、胸の中は複雑だったと
思います。
思います。
―それはそうだよね。でも、
珠実ちゃん自身も辛かったでしょ。
た:それは、自業自得なんで。
ただ、
ファンの方々や
メンバーのみんなには
本当に申し訳なくて。
本当に申し訳なくて。
行く直前まで、
大学中退するか迷いました。
―大学中退は、さすがに
親が許してくれないよね。
た:そうですね。
親はもともと私のアイドル活動には
反対でしたし。
行かないと大学に
いられなくなってしまうので
泣く泣く行きましたが、
留学に行くのは本当に嫌でした。
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実は、留学は二度目。一度目は・・・
---―ひとりでスペインに行くとか、
寂しくなかった?
た:実は、留学は二度目だったので、
DIOのことを除けば、留学自体は
それほど問題じゃなかったですね。
―そうなんだ。
高校の時とかにも留学してたの?
た:はい。高校2年生から
卒業するまでの1年半ほど、
オーストラリアに行ってました。
―へえー。
オーストラリアと言えば、シドニー?
た:いえ、
エアーズロックの近くです。
エアーズロックの近くです。
―ふぇっ!?
た:アボリジニアートの勉強
に(笑)
に(笑)
途中からタスマニアに
移りましたが。
移りましたが。
―タ、タスマニア?
どうしてそうなった?
(というか、どっから
突っ込んだらいいんだろう・・・)
(というか、どっから
突っ込んだらいいんだろう・・・)
中学に入ってからは、
シンクロをやめたことを
ちょっと後悔して、
自分が好きなことは何だろう?
って考えた結果、
絵を描くことが好きだったので
美術の勉強を始めたんです。
それで、留学に行ったんですね。
―相変らずガチだね。
てか、自己分析する中学生
って、凄いね・・・。
って、凄いね・・・。
エアーズロックの近くに、
ひとりで行ったの?
日本人、全然いないでしょ。
ホームシックにならなかった?
た:なりましたね。
基本的なことが話せないから、
最初は友達も全然できないし。
親に話すのも情けなくて、
はじめはずっとひとりで泣いてました(笑)
ノートにやり場のない
気持ちを書きなぐって、
ストレス解消したりして。
気持ちを書きなぐって、
ストレス解消したりして。
留学といっても、
カリキュラムとかもないんですよ。
アボリジニアートも、
クラスにいる
アボリジニ(原住民)の子に頼んで、
家にお邪魔したりして、
自分で勉強していくしかないんです。
おうちにお邪魔した時は、
芋虫もおいしく
いただきました。
いただきました。
―!!
(↑どうでもいい情報だけど、虫は苦手)
た:まあ、最終的には
すごい楽しかったんですけど、
最初は大変でしたね(笑)
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Dioで出会えた本当の仲間
---―そこで乗り越えた経験
があったから、
があったから、
留学自体は慣れてたんだね。
た:はい。ただ、2回目は、
本当は留学なんかよりも、
とにかくDIOの活動を
続けたかったです。
続けたかったです。
―留学するってことで、
DIOは一回、辞めたの?
DIOは一回、辞めたの?
た:それが、みんなは
留学に行った私を
DIOのメンバーで
留学に行った私を
DIOのメンバーで
いさせてくれたんです。
みんなからしたら、私って
普通は裏切り者じゃないですか。
それなのに、
形の上だけじゃなくて、
形の上だけじゃなくて、
「DIOでこんなことがあったよ」
と連絡くれたりとか、
「今度こんな企画あるんだけど、
どう思う?」とか、
聞いてくれたりして。
―それは嬉しいねぇ。
た:留学前は、
ダンスの特訓だけじゃなくて
最初はライブのお客さんも5人
とかの時もあって、
一緒にチラシ配りもしましたし、
そんなふうに苦労をともにして、
みんなとは、2ヶ月ほどだったけど、
とっても濃い時間を過ごせたことが、
良かったのかもしれません。
小学校のシンクロの時はもちろん、
中高も女子校でしたし、
それまでも比較的女の子だけの
集団にいることが多かったのですが、
私にとっては、はじめて築けた
強い信頼関係でした。
―ブロードバンドの売り子の
アルバイトの面接に行ったはずが、
ひょんなことからアイドルになっちゃった
って感じだったけど、
そのお蔭で、
本当の仲間に出会えたんだね。
た:ひとりいない状態になったDIOは
新曲を出すこともできずに
それまでの持ち歌のまま
頑張ってくれて、
頑張ってくれて、
それでも、こんな私を仲間として
大切にし続けてくれました。
私もせめて何かしたくて、
スペインでは、サルサダンスとか、
役に立ちそうなことをやって、
帰国の時に備えました。
―みんな、待っててくれたんだね。
た:はい。10ヶ月後、
みんなは本当に、帰国した私を
受けいれてくれました。
―DIOの仲間は、最高の宝物だね。
今の目標は?
た:メジャーデビューですね。
私が留学に行ってしまってたせい
もあって、
もあって、
もう、そんなに時間がありません。
今年中に
メジャーデビューを果たしたい
メジャーデビューを果たしたい
と思います!


現在のDIO
(写真提供:ご本人)
★ ★ ★
(編集後記)
肝心なところで
スペインに留学せざるをえなかった
アイドル、柴田珠実さん、
仲間はそれでも彼女を
見捨てなかったどころか、
彼女の留学中も
変わらず仲間として
大切にしてくれたという。
今度は、自分が応える番だ――
必勝の信念で
仲間とおんなじ夢に向かう、
彼女の瞳はまっすぐで、強い。