前回からの続き。

別々の道を歩んできた二人は
長野県の小布施で出会い、

地方の魅力と都会の女子の
出会いづくりという
共通の目的に向かって
進んでいった――

今回は
いよいよ、起業後の物語を聞きます!

正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(左)と
山本峰華(やまもと・みか)さん(右)。


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「クリスマスまでに彼氏じゃなくて会社つくる」


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―結局、なんで会社をつくることになったの?


山本峰華さん(以下、み):
2年半、通い続けて準備した
小布施での『若者会議』が
無事、成功に終わり、

私たちの興奮は
帰りの新幹線の中でも
冷めませんでした。

その時は、まだ漠然と

ようやくひと仕事終えたし、
クリスマスまでに彼氏をつくろうとか、
そういう他愛もない話の中で、

地方のためにこれからも何かしたいね、
などと話していたのですが、

数日後、まゆちゃんから連絡が来ます。

「ねー!

やっぱり、
クリスマスまでに彼氏じゃなくて、
会社つくる

と。

私が、
「それ、いいじゃん。
でも、何をする会社?(笑)」
と尋ねると、

「こんぺいとう屋さんになる」

とのこと。



―・・・・・・はい?



正能茉優さん(以下、ま):
まゆ、小布施若者会議が終わって、
「地方のために何かしたい!」
と思ったときに

こんぺいとう屋さんと結婚するのが
小さい頃からの夢だったことを
思い出したんです。

こんぺいとうの専門店って
日本にたった1軒しかなくて、

その技術は一子相伝で門外不出って
どこかで聞いたんですよ。

それで、
大好きなこんぺいとうをつくるには、
そこの家に嫁入りするしかない、と。



―さっき言ってたね、それ。



ま:でも、冷静に考えたら、
そんなにこんぺいとう屋さんは
やりたくなくて、
 
“日本”とか“伝統”を感じるモノに
新しい風を吹き込みたいって
思いだったんだなと気付いて。

それで日本をハピキラにするために
地方のモノを好きになってもらう会社
をつくることにしました。

都会の子に地方に興味をもらうのって
なかなか難しいけれど、
 
まずモノから好きになってもらえば
いいやって思って。


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正能茉優さん(クリスマスVer)



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「商品ができてない!」

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―実際に始めてみて、大変だったことは
何ですか?


ま:早速、小布施の
代表的な栗菓子屋さんである
小布施堂さんの商品で
ご一緒させていただける
ことになりました。

小布施堂さんは、地元を代表する
すごい会社さんなので、

幸運にもそのお仕事を
いただけたこともそうですが、

私たちにとっては
全ての事が初めての体験でしたので、
挑戦の連続でした。

バレンタイン用の商品を
プロデュースさせていただく
ことになり、
 
年末くらいから
新聞や雑誌に取材していただく
ことができたのですが、

会社や商品のパンフレットどころか
名刺も持ってない状態でした。

特にヤバかったのが、
週刊女性さんの取材ですね。


―どうしたの?

み:私たちがプロデュースした
バレンタイン用の『栗鹿の子』
の写真を撮ってもらう予定
だったのですが、

その取材前日になっても
パッケージのデザインなど
まだ何にも決まってなかった
んです。



―・・・え。
どうしたの、それ?


ま:「やばいやばい!
商品できてないじゃん。

ってなって、

デザイナーの友達に
協力してもらって、

新宿のマックで深夜まで
工作しました(笑)



―・・・・・・。



み:出来上がったころには
終電が無かったので、

楽しくなっちゃってみんなで
カラオケ行ってオールして。

翌日、できたてホヤホヤの見本を
編集部に持っていくと、

「このサンプル、
いただいていいですか?」
と聞かれました。

でも、
(世界にひとつしかないからなー)
と思いまして、

「すいません、これは
お渡しできないんです」

と言いました。



―(笑)

それで、小布施堂さんへは
その後で持って行ったの?



ま:はい。

そしたら、
とんでもない原価が出てきて。

「こんなに特殊な曲線は
安くできないよ」

みたいな。

そうなの??

そりゃあ、手描きのハートだもん(笑)

でも、
もう雑誌の取材受けちゃったから、
このデザインでいくしかない。

誰かに教えてもらった
『相見積もり』なるもので
コスト削減するしかないわけですね。



―おお。凄い。



ま:やったことないですけどね。
そのままじゃ原価が高すぎて
赤字確実だから、やるしかない。

はじめて仕事っぽいことを
やったかも(笑)

ところが、実は
見積もりを取るまでが大変でした。

地方の伝統的な会社さんって、
何十年も前から
お付き合いのある会社さんに
発注する文化があるんですよね。

そういう『大人のルール』があるので
そもそも相見積もり自体がタブーで。

お許しをいただくまでが大変でした。

parco
 渋谷パルコにて


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「こんなに、売れるわけないょ・・・」

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―いざ、やってみると
そういうリアルな苦しみがあって、

ようやく商品が出来上がる。

そしたら今度はそれを
売らないといけませんよね。

売るときの苦労はありましたか?



ま:実際に商品がダンボールで届くと、
途端に恐怖が襲ってきましたね。

「こんなに、売れるわけないょ…」
って。

(自分自身も)
パルコさんの店頭に立って
売ることになっていたのですが、

数字ではわかっていたものの、
実際に目にしてみると、

「1,000個ってこんなにあるんだ…」
みたいな。

「売れなかったらどうしよう?」
と思って、

まゆ、もう前日はリアルに
死のうと思ったもん。


初日から売行きは好調だったのですが、

雪が降ったりして
お客さんがあまり来ない時間帯などもあり、

そういう時間帯は、
気が気ではありませんでした。


そんな感じで、何とか売り続ける
不安な毎日だったのですが、

フジテレビさんの『ニュースJAPAN』に
特集していただいてからは
一気に勢いが出て、

実際は全然そんなんじゃないのに、
「地方を救う救世主」
みたいに言っていただいて、
 
周りの方からも一段と
応援してもらえるようになりました。


「頑張って」とか声をかけて下さる方
の中には、
まゆたちがモノ売ってんのに、
ケーキとかシュークリームとか
モノくれる方もいました(笑)

終わってみれば
(パルコ分の)1,000個は
期間内に完売。

「やっぱりなんとかなるじゃん!」
って嬉しくなっちゃって
 
その足で焼肉とカラオケで
打ち上げしました!

私たちカラオケ行き過ぎですね。

つづく

pri
(写真提供:ご本人)


(編集後記)

頭では「当たり前」だと
思えることでも
 
【実際にやってみる】と
様々な困難がつきまとう。

特に、1,000個の商品を前にした時の
恐怖、というのは印象的だった。

彼女たちにとっては、
全てが初めてのことだった。

それでも、彼女たちは
ひとつひとつ乗り越えていく。

彼女たちの取組みの内容も成果も
そりゃあ素晴らしいとは思うけど、

その実行の過程が素晴らしい。

次回は
この、かわいくてカッコイイ
二人の『実行者』たちに、

成功の秘密と
これからの展望を聞きます。
 

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