前回からの続き。

地方の商品と都会の女の子を繋ぐ
『ハピキラFACTORY』を起業して、

ひとつひとつの困難を
乗り越えていくふたり。

最終会の今回は
成功の秘密と
これからの展望を聞きます。

 

2013-07-01 13 37 47
正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(左)と
山本峰華(やまもと・みか)さん(右)。



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「言っちゃった以上は、やるしかない」「最高の借り物競争しちゃおう」

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―これまで、ふたりが直面した
リアルな課題について聞きましたが、

立ち上げて1年たたずして
メディアにも取り上げられて
実際に成果もあげて、

色々あったけど、
最高のスタートを切れたんじゃない?



山本峰華さん(以下、み):
そうですね。

色々な方々に支えられて、
お蔭様でいいスタートが
切れたと思います。



―学生社会起業家として
注目されてるよね。



正能茉優さん(以下、ま):
メディアでは、すっかり
エシカル(倫理的)な人
というイメージになっちゃっていて、

それはそれでありがたいんだけど、
実際はそんなキレイな話じゃない。

好きなことをやってるだけだけど、
「結果としてエシカル」なの。



―そうだよね。
最初に事業の内容を聞いて、
今どきのお二人に会った瞬間は、
正直、

(カワイイ女子大生が
『地方の再生』とか
耳障りのいいことを言って、

表面的なところだけを
綺麗に着飾って

肝心なことは大人に甘えて
助けてもらってるんだろうな)

と心のどこかで思っていた。


でも、話を聞いてみたら
全然、違っていたので、
自分が恥ずかしい。


ふたりとも、
自分を大きく着飾るどころか、
身体ひとつで、現実に体当たり
してる。



ま:調子に乗って

「イケてることするの!
楽しいこと見つけたの!」

言っちゃった以上は、
やるしかない。

お仕事はいつもその繰り返しです。


商品のデザインを一晩でつくって
取材に出しちゃった時も、

1,000個の商品を前にした時も、
そう。

後から帳尻合わせるしかない。


今思えば、もっといいやり方が
あったと思うし、

各方面にご迷惑をおかけしたことも
多いと思うので、
それは申し訳ないんですけど。

でも、その時、その時で
ベストを尽くしていたと思います。


とにかく、
帳尻を合わせるのに必死(笑)

友だちや知り合いに
全部全部助けてもらいました。
 
まゆは何もできないから
「借り物競争じゃん」
って思うときもあるけど。

でも、だったら
最高のメンバーに
最高のモノを借りて
最高の借り物競争しちゃおう
って。(笑)



―最初も、会社のトップに
直接電話したとか


ま:クライアントさんなしでは
仕事にならないので、
 
「いっしょにやろう」と
言っていただけるまでは
 
こちらからお願いしていくしかない
と思いました。

でも、お願いするなら、
トップの方にお願いした方が
いいかなって。

周りの人からは、
「社長に直接電話できるのは、
茉優ちゃんくらいだよ」
とあきれられますが、

電話帳漁って、
電話しちゃいます。(笑)



―そうした行動力だけでなく、
その前に地道な2年半が
あったよね



ま:最初は
(地域づくりインターンに参加して
あまりにも場違いだったので、)
 
「間違えた」と思いました。
遊べる所ないし。

でも、小布施の人たちに
その後も本当にお世話になり、
ちょっとずつ仲良くなって
その2年半が後々になって生きました。

地方の状況やそこに暮らす方々の思いは
一朝一夕にわかるものではないので、
あの2年半があってほんとに良かった。



0301
小布施町の町長さんと

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「かわいい」には、こだわって

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―ほかに、こだわっているところとかある?



ま:今を生きる女の子たちの
リアルな「かわいい」にはこだわってます。

お仕事してると、色ひとつとっても、
「なんでこのピンク選んじゃうの?」
ということはよくあります。

バレンタインの「かのこっくり」も
サンプル品の色合いを、
長野のメトロボリタンホテルの外に出て、
太陽の光の下で確認したり

ひとつひとつ、
本当にかわいいかどうか?
本当に自分は欲しいかどうか?
に気をつけてます。



―「かわいい」って難しいよね。
男の「かわいい」とは明らかに違う



まゆたちの「かわいい」は
女の子が、
「それを身に着けた時に、
自分がかわいく見える」
と思えるものって定義なんです。

マカロンがかわいい
っていうのも、

実際、マカロンって
別にそれ自体はかわいくない
じゃないですか(笑)

それでも買っちゃうのは、
 
食べてる自分がかわいい
買って誰かにあげてる私って素敵

という方が近いですよね。



―なるほど!


ま:こうした感覚を活かして、
地方の名産品を、
かわいくしていきたいんです。
 
だって、中身は本当に素敵な
モノばかりだから!

―ところで、
みかちゃんはもう働いてるんだよね。

なかなか時間が合わなくなって
大変じゃない?



み:確かに、以前に比べると時間は
自由ではないですが、

もともと仕事の連絡も
LINEで取り合っていたので、

会えないことは問題ないですね。



―LINE!今どきだね。



み:やっているお仕事の
進捗状況の確認とかは
もちろんLINEだし、
 
ハピキラはデザインが重要だから、
デザインもLINEで決めていきます。

「こんなイメージのものを作りたい」
ってデザイナーの子に言うと、

その子が「こんな感じ?」
ってデザインを送ってくれるんです。
 
それからの微調整も全部
LINEで出来ちゃいます。

ハピキラの商品のアイデアも
LINEでやりとりするので、
 
ハピキラの商品は
LINEから始まってますね。


line
LINEでのやり取り

spcap
スマホの中には、お仕事関連の画像がたくさん!


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「日本中を“ハピキラ”にして、ハピキラJAPANをつくりたい」

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―最後に、ハピキラFACTORYの
これからについて、聞かせて下さい。



ま:3年後、ハピキラショップを
空港につくりたいですね。

クールジャパンに
一刻も早く勝ちたい!


羽田空港とかにいくと、
各地の名産品とか日本っぽいお土産が
売ってるじゃないですか。

でも、なかなか私たちが
かわいいと思えるものがないんです。

いろんな地方の名産品を
かわいくして、
 
日本のハピキラなお土産を入口に
日本のファンを増やしていきたいな
って思ってます



―全国展開だね。



ま:はい。

女の子の立場、女の子の感覚で
日本中をハピキラにして、

ハピキラJAPANを
つくりたいです。

世界中で売りたいですね。


最近は、
お蔭様で、長野県以外からも
お話をいただくようになりました。


でも、もちろん、
小布施の方々との活動も
続けますよ。
ホームだもん。

先日も実際に、
『浄光寺』というお寺では
縁結び絵馬の企画制作を
お手伝いさせていただきました。



―地方と都会をつなげる意味は?


ま:都会は物質的に豊かだから

「地方にない、
かわいいモノがたくさんある!」

と思う一方で、

精神的な豊かさは
ちょっと足りないなと思います。



―地方には、
それを満たす物語があるけど、
都会のかわいさがない。

だから、
つなげる意味があるんだね。


ま:はい。それから、
『かわいい』を軸にしたお仕事も。

今、スーツのプロデュースも
させていただいているんです。

女の子が一緒に歩きたいデザイン
という視点から。



―かわいいにも、こだわっているもんね。


ま:はい。
ハピキラをつくる前は、
吉野家をもう少しかわいくして
「女子ノヤ」を作れないかと
真剣に考えたこともあったくらい(笑)



―このコンビなら、いろいろできそう。
起業を考える学生に伝えたいことってある?



み:ぶっとんだことをやる人と、
支える人(笑)

私たちみたいな普通の女の子でも
楽しくできるんだよ、ってことを
少しでも伝えられればと思います。

もちろん、ある程度、秩序が無いと
大きいことはできないと思いますし、

社会人としての
常識的な仕事の進め方を知る

という意味では、社会に出て
勉強になることは多いです。 

でも、学生にしかできないことも、
きっとあると思って。



―そうだよね。
ご両親も、ふたりの活躍に
驚いているんじゃない?


ま:親は起業したことを
人づてに聞いたみたいで、

「・・・くんのママから連絡がきて、
あなた会社つくったの?」
とメールがきました。



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山本峰華さん



み:うちは、おじいちゃんが
記事をおっきく印刷してましたね。

それから、そういえば、
あるとき、ケータイに電話がかかってきて。

「山本さま、
いい人が見つかりました
って。 

男性のプロフィールを言われて
「いかがでしょぅか?」

と尋ねられたので何かと思ったら、
 
心配した親が
結婚相談書に登録していた
みたいで。

大学生らしく、
デートとかしてなくていいの?
とか、そっちが心配な様子(笑)



―(爆笑)
 
では、社長からも、
起業を考える学生にメッセージを。



ま:まゆは、なんにもできないですが、
でも、なんにもできないことって
実は最強なんじゃないかな
と最近思います。

だって、みんなが助けてくれるから。

なんにもできない人こそが
なんでもできる世の中なんです。

ということで、
とにかく楽しくハッピーに今を生きて、
大好きな人と大切な人を
たくさんつくること!

そうしたら、なんでもできちゃうと思います!

sw
(写真提供:ご本人)

 ★ ★ ★
 
(編集後記)

インタビュー中でも述べているが、
とにかく驚いたし、恐れ入った。

女子大生のキレイゴトに
大人が飛びついているだけだと、

私はどこかで彼女たちを
ナメていたと思う。

彼女たちの戦いは、
社会人と少しも違わない。

おんなじ戦場で戦っている。
 
それも、会社という盾も無しに。

そして、盾を持たずに
(両手に剣を持って?)戦う
彼女たちは、

身軽で、でも軸はとてもしっかりしていて、
重い盾を持ったオトナを横目に、

お互いの背中を預けて、
ふたりの理想の地に向かって、

日々傷つきながら、
一日いちにちをとっても大切に
生きている。

おわり★


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