山本峰華

帳尻は、後から合わせるもの

前回からの続き。

地方の商品と都会の女の子を繋ぐ
『ハピキラFACTORY』を起業して、

ひとつひとつの困難を
乗り越えていくふたり。

最終会の今回は
成功の秘密と
これからの展望を聞きます。

 

2013-07-01 13 37 47
正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(左)と
山本峰華(やまもと・みか)さん(右)。



---

「言っちゃった以上は、やるしかない」「最高の借り物競争しちゃおう」

---

―これまで、ふたりが直面した
リアルな課題について聞きましたが、

立ち上げて1年たたずして
メディアにも取り上げられて
実際に成果もあげて、

色々あったけど、
最高のスタートを切れたんじゃない?



山本峰華さん(以下、み):
そうですね。

色々な方々に支えられて、
お蔭様でいいスタートが
切れたと思います。



―学生社会起業家として
注目されてるよね。



正能茉優さん(以下、ま):
メディアでは、すっかり
エシカル(倫理的)な人
というイメージになっちゃっていて、

それはそれでありがたいんだけど、
実際はそんなキレイな話じゃない。

好きなことをやってるだけだけど、
「結果としてエシカル」なの。



―そうだよね。
最初に事業の内容を聞いて、
今どきのお二人に会った瞬間は、
正直、

(カワイイ女子大生が
『地方の再生』とか
耳障りのいいことを言って、

表面的なところだけを
綺麗に着飾って

肝心なことは大人に甘えて
助けてもらってるんだろうな)

と心のどこかで思っていた。


でも、話を聞いてみたら
全然、違っていたので、
自分が恥ずかしい。


ふたりとも、
自分を大きく着飾るどころか、
身体ひとつで、現実に体当たり
してる。



ま:調子に乗って

「イケてることするの!
楽しいこと見つけたの!」

言っちゃった以上は、
やるしかない。

お仕事はいつもその繰り返しです。


商品のデザインを一晩でつくって
取材に出しちゃった時も、

1,000個の商品を前にした時も、
そう。

後から帳尻合わせるしかない。


今思えば、もっといいやり方が
あったと思うし、

各方面にご迷惑をおかけしたことも
多いと思うので、
それは申し訳ないんですけど。

でも、その時、その時で
ベストを尽くしていたと思います。


とにかく、
帳尻を合わせるのに必死(笑)

友だちや知り合いに
全部全部助けてもらいました。
 
まゆは何もできないから
「借り物競争じゃん」
って思うときもあるけど。

でも、だったら
最高のメンバーに
最高のモノを借りて
最高の借り物競争しちゃおう
って。(笑)



―最初も、会社のトップに
直接電話したとか


ま:クライアントさんなしでは
仕事にならないので、
 
「いっしょにやろう」と
言っていただけるまでは
 
こちらからお願いしていくしかない
と思いました。

でも、お願いするなら、
トップの方にお願いした方が
いいかなって。

周りの人からは、
「社長に直接電話できるのは、
茉優ちゃんくらいだよ」
とあきれられますが、

電話帳漁って、
電話しちゃいます。(笑)



―そうした行動力だけでなく、
その前に地道な2年半が
あったよね



ま:最初は
(地域づくりインターンに参加して
あまりにも場違いだったので、)
 
「間違えた」と思いました。
遊べる所ないし。

でも、小布施の人たちに
その後も本当にお世話になり、
ちょっとずつ仲良くなって
その2年半が後々になって生きました。

地方の状況やそこに暮らす方々の思いは
一朝一夕にわかるものではないので、
あの2年半があってほんとに良かった。



0301
小布施町の町長さんと

---

「かわいい」には、こだわって

---


―ほかに、こだわっているところとかある?



ま:今を生きる女の子たちの
リアルな「かわいい」にはこだわってます。

お仕事してると、色ひとつとっても、
「なんでこのピンク選んじゃうの?」
ということはよくあります。

バレンタインの「かのこっくり」も
サンプル品の色合いを、
長野のメトロボリタンホテルの外に出て、
太陽の光の下で確認したり

ひとつひとつ、
本当にかわいいかどうか?
本当に自分は欲しいかどうか?
に気をつけてます。



―「かわいい」って難しいよね。
男の「かわいい」とは明らかに違う



まゆたちの「かわいい」は
女の子が、
「それを身に着けた時に、
自分がかわいく見える」
と思えるものって定義なんです。

マカロンがかわいい
っていうのも、

実際、マカロンって
別にそれ自体はかわいくない
じゃないですか(笑)

それでも買っちゃうのは、
 
食べてる自分がかわいい
買って誰かにあげてる私って素敵

という方が近いですよね。



―なるほど!


ま:こうした感覚を活かして、
地方の名産品を、
かわいくしていきたいんです。
 
だって、中身は本当に素敵な
モノばかりだから!

―ところで、
みかちゃんはもう働いてるんだよね。

なかなか時間が合わなくなって
大変じゃない?



み:確かに、以前に比べると時間は
自由ではないですが、

もともと仕事の連絡も
LINEで取り合っていたので、

会えないことは問題ないですね。



―LINE!今どきだね。



み:やっているお仕事の
進捗状況の確認とかは
もちろんLINEだし、
 
ハピキラはデザインが重要だから、
デザインもLINEで決めていきます。

「こんなイメージのものを作りたい」
ってデザイナーの子に言うと、

その子が「こんな感じ?」
ってデザインを送ってくれるんです。
 
それからの微調整も全部
LINEで出来ちゃいます。

ハピキラの商品のアイデアも
LINEでやりとりするので、
 
ハピキラの商品は
LINEから始まってますね。


line
LINEでのやり取り

spcap
スマホの中には、お仕事関連の画像がたくさん!


---

「日本中を“ハピキラ”にして、ハピキラJAPANをつくりたい」

---

―最後に、ハピキラFACTORYの
これからについて、聞かせて下さい。



ま:3年後、ハピキラショップを
空港につくりたいですね。

クールジャパンに
一刻も早く勝ちたい!


羽田空港とかにいくと、
各地の名産品とか日本っぽいお土産が
売ってるじゃないですか。

でも、なかなか私たちが
かわいいと思えるものがないんです。

いろんな地方の名産品を
かわいくして、
 
日本のハピキラなお土産を入口に
日本のファンを増やしていきたいな
って思ってます



―全国展開だね。



ま:はい。

女の子の立場、女の子の感覚で
日本中をハピキラにして、

ハピキラJAPANを
つくりたいです。

世界中で売りたいですね。


最近は、
お蔭様で、長野県以外からも
お話をいただくようになりました。


でも、もちろん、
小布施の方々との活動も
続けますよ。
ホームだもん。

先日も実際に、
『浄光寺』というお寺では
縁結び絵馬の企画制作を
お手伝いさせていただきました。



―地方と都会をつなげる意味は?


ま:都会は物質的に豊かだから

「地方にない、
かわいいモノがたくさんある!」

と思う一方で、

精神的な豊かさは
ちょっと足りないなと思います。



―地方には、
それを満たす物語があるけど、
都会のかわいさがない。

だから、
つなげる意味があるんだね。


ま:はい。それから、
『かわいい』を軸にしたお仕事も。

今、スーツのプロデュースも
させていただいているんです。

女の子が一緒に歩きたいデザイン
という視点から。



―かわいいにも、こだわっているもんね。


ま:はい。
ハピキラをつくる前は、
吉野家をもう少しかわいくして
「女子ノヤ」を作れないかと
真剣に考えたこともあったくらい(笑)



―このコンビなら、いろいろできそう。
起業を考える学生に伝えたいことってある?



み:ぶっとんだことをやる人と、
支える人(笑)

私たちみたいな普通の女の子でも
楽しくできるんだよ、ってことを
少しでも伝えられればと思います。

もちろん、ある程度、秩序が無いと
大きいことはできないと思いますし、

社会人としての
常識的な仕事の進め方を知る

という意味では、社会に出て
勉強になることは多いです。 

でも、学生にしかできないことも、
きっとあると思って。



―そうだよね。
ご両親も、ふたりの活躍に
驚いているんじゃない?


ま:親は起業したことを
人づてに聞いたみたいで、

「・・・くんのママから連絡がきて、
あなた会社つくったの?」
とメールがきました。



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山本峰華さん



み:うちは、おじいちゃんが
記事をおっきく印刷してましたね。

それから、そういえば、
あるとき、ケータイに電話がかかってきて。

「山本さま、
いい人が見つかりました
って。 

男性のプロフィールを言われて
「いかがでしょぅか?」

と尋ねられたので何かと思ったら、
 
心配した親が
結婚相談書に登録していた
みたいで。

大学生らしく、
デートとかしてなくていいの?
とか、そっちが心配な様子(笑)



―(爆笑)
 
では、社長からも、
起業を考える学生にメッセージを。



ま:まゆは、なんにもできないですが、
でも、なんにもできないことって
実は最強なんじゃないかな
と最近思います。

だって、みんなが助けてくれるから。

なんにもできない人こそが
なんでもできる世の中なんです。

ということで、
とにかく楽しくハッピーに今を生きて、
大好きな人と大切な人を
たくさんつくること!

そうしたら、なんでもできちゃうと思います!

sw
(写真提供:ご本人)

 ★ ★ ★
 
(編集後記)

インタビュー中でも述べているが、
とにかく驚いたし、恐れ入った。

女子大生のキレイゴトに
大人が飛びついているだけだと、

私はどこかで彼女たちを
ナメていたと思う。

彼女たちの戦いは、
社会人と少しも違わない。

おんなじ戦場で戦っている。
 
それも、会社という盾も無しに。

そして、盾を持たずに
(両手に剣を持って?)戦う
彼女たちは、

身軽で、でも軸はとてもしっかりしていて、
重い盾を持ったオトナを横目に、

お互いの背中を預けて、
ふたりの理想の地に向かって、

日々傷つきながら、
一日いちにちをとっても大切に
生きている。

おわり★


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http://hapikira.com/

『ハピキラFACTORY』の
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正能茉優さんのブログ


「クリスマスまでに彼氏じゃなくて会社つくる!」

前回からの続き。

別々の道を歩んできた二人は
長野県の小布施で出会い、

地方の魅力と都会の女子の
出会いづくりという
共通の目的に向かって
進んでいった――

今回は
いよいよ、起業後の物語を聞きます!

正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(左)と
山本峰華(やまもと・みか)さん(右)。


---

「クリスマスまでに彼氏じゃなくて会社つくる」


---

―結局、なんで会社をつくることになったの?


山本峰華さん(以下、み):
2年半、通い続けて準備した
小布施での『若者会議』が
無事、成功に終わり、

私たちの興奮は
帰りの新幹線の中でも
冷めませんでした。

その時は、まだ漠然と

ようやくひと仕事終えたし、
クリスマスまでに彼氏をつくろうとか、
そういう他愛もない話の中で、

地方のためにこれからも何かしたいね、
などと話していたのですが、

数日後、まゆちゃんから連絡が来ます。

「ねー!

やっぱり、
クリスマスまでに彼氏じゃなくて、
会社つくる

と。

私が、
「それ、いいじゃん。
でも、何をする会社?(笑)」
と尋ねると、

「こんぺいとう屋さんになる」

とのこと。



―・・・・・・はい?



正能茉優さん(以下、ま):
まゆ、小布施若者会議が終わって、
「地方のために何かしたい!」
と思ったときに

こんぺいとう屋さんと結婚するのが
小さい頃からの夢だったことを
思い出したんです。

こんぺいとうの専門店って
日本にたった1軒しかなくて、

その技術は一子相伝で門外不出って
どこかで聞いたんですよ。

それで、
大好きなこんぺいとうをつくるには、
そこの家に嫁入りするしかない、と。



―さっき言ってたね、それ。



ま:でも、冷静に考えたら、
そんなにこんぺいとう屋さんは
やりたくなくて、
 
“日本”とか“伝統”を感じるモノに
新しい風を吹き込みたいって
思いだったんだなと気付いて。

それで日本をハピキラにするために
地方のモノを好きになってもらう会社
をつくることにしました。

都会の子に地方に興味をもらうのって
なかなか難しいけれど、
 
まずモノから好きになってもらえば
いいやって思って。


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正能茉優さん(クリスマスVer)



---

「商品ができてない!」

---


―実際に始めてみて、大変だったことは
何ですか?


ま:早速、小布施の
代表的な栗菓子屋さんである
小布施堂さんの商品で
ご一緒させていただける
ことになりました。

小布施堂さんは、地元を代表する
すごい会社さんなので、

幸運にもそのお仕事を
いただけたこともそうですが、

私たちにとっては
全ての事が初めての体験でしたので、
挑戦の連続でした。

バレンタイン用の商品を
プロデュースさせていただく
ことになり、
 
年末くらいから
新聞や雑誌に取材していただく
ことができたのですが、

会社や商品のパンフレットどころか
名刺も持ってない状態でした。

特にヤバかったのが、
週刊女性さんの取材ですね。


―どうしたの?

み:私たちがプロデュースした
バレンタイン用の『栗鹿の子』
の写真を撮ってもらう予定
だったのですが、

その取材前日になっても
パッケージのデザインなど
まだ何にも決まってなかった
んです。



―・・・え。
どうしたの、それ?


ま:「やばいやばい!
商品できてないじゃん。

ってなって、

デザイナーの友達に
協力してもらって、

新宿のマックで深夜まで
工作しました(笑)



―・・・・・・。



み:出来上がったころには
終電が無かったので、

楽しくなっちゃってみんなで
カラオケ行ってオールして。

翌日、できたてホヤホヤの見本を
編集部に持っていくと、

「このサンプル、
いただいていいですか?」
と聞かれました。

でも、
(世界にひとつしかないからなー)
と思いまして、

「すいません、これは
お渡しできないんです」

と言いました。



―(笑)

それで、小布施堂さんへは
その後で持って行ったの?



ま:はい。

そしたら、
とんでもない原価が出てきて。

「こんなに特殊な曲線は
安くできないよ」

みたいな。

そうなの??

そりゃあ、手描きのハートだもん(笑)

でも、
もう雑誌の取材受けちゃったから、
このデザインでいくしかない。

誰かに教えてもらった
『相見積もり』なるもので
コスト削減するしかないわけですね。



―おお。凄い。



ま:やったことないですけどね。
そのままじゃ原価が高すぎて
赤字確実だから、やるしかない。

はじめて仕事っぽいことを
やったかも(笑)

ところが、実は
見積もりを取るまでが大変でした。

地方の伝統的な会社さんって、
何十年も前から
お付き合いのある会社さんに
発注する文化があるんですよね。

そういう『大人のルール』があるので
そもそも相見積もり自体がタブーで。

お許しをいただくまでが大変でした。

parco
 渋谷パルコにて


---

「こんなに、売れるわけないょ・・・」

---

―いざ、やってみると
そういうリアルな苦しみがあって、

ようやく商品が出来上がる。

そしたら今度はそれを
売らないといけませんよね。

売るときの苦労はありましたか?



ま:実際に商品がダンボールで届くと、
途端に恐怖が襲ってきましたね。

「こんなに、売れるわけないょ…」
って。

(自分自身も)
パルコさんの店頭に立って
売ることになっていたのですが、

数字ではわかっていたものの、
実際に目にしてみると、

「1,000個ってこんなにあるんだ…」
みたいな。

「売れなかったらどうしよう?」
と思って、

まゆ、もう前日はリアルに
死のうと思ったもん。


初日から売行きは好調だったのですが、

雪が降ったりして
お客さんがあまり来ない時間帯などもあり、

そういう時間帯は、
気が気ではありませんでした。


そんな感じで、何とか売り続ける
不安な毎日だったのですが、

フジテレビさんの『ニュースJAPAN』に
特集していただいてからは
一気に勢いが出て、

実際は全然そんなんじゃないのに、
「地方を救う救世主」
みたいに言っていただいて、
 
周りの方からも一段と
応援してもらえるようになりました。


「頑張って」とか声をかけて下さる方
の中には、
まゆたちがモノ売ってんのに、
ケーキとかシュークリームとか
モノくれる方もいました(笑)

終わってみれば
(パルコ分の)1,000個は
期間内に完売。

「やっぱりなんとかなるじゃん!」
って嬉しくなっちゃって
 
その足で焼肉とカラオケで
打ち上げしました!

私たちカラオケ行き過ぎですね。

つづく

pri
(写真提供:ご本人)


(編集後記)

頭では「当たり前」だと
思えることでも
 
【実際にやってみる】と
様々な困難がつきまとう。

特に、1,000個の商品を前にした時の
恐怖、というのは印象的だった。

彼女たちにとっては、
全てが初めてのことだった。

それでも、彼女たちは
ひとつひとつ乗り越えていく。

彼女たちの取組みの内容も成果も
そりゃあ素晴らしいとは思うけど、

その実行の過程が素晴らしい。

次回は
この、かわいくてカッコイイ
二人の『実行者』たちに、

成功の秘密と
これからの展望を聞きます。
 

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正能茉優さんのブログ


Girls, be ambitious!(5)―女子大生起業家、ハピキラFACTORY

都会の女の子に「地方の魅力」
を感じてもらうべく、
慶應大学在学中に
『ハピキラFACTORY』を起業した、
正能茉優(しょうのう・まゆ)さんと
山本峰華(やまもと・みか)さん。

今回は、
テレビや雑誌に取り上げられて
話題沸騰中の彼女たちに、
 
その活躍の裏側を聞いてきました!


山本峰華(やまもと・みか)さん(左)と
正能茉優(しょうのう・まゆ)さん(右)。
---

都会の女の子と地方を繋ぐ通訳になりたい

---

―はじめまして。
まず、『ハピキラFACTORY』の
活動内容を教えて下さい!



山本峰華さん(以下み):
(MacBookを開いて)
ちょうど今日、資料があるので
簡単にご説明しますね。

私たちの会社、
『ハピキラFACTORY』では、

『地方・日本にある魅力的な商材を
ハピキラに変身させ、
世界に発信していくことで、

地方・日本に興味のない女の子が
興味を持つキッカケを作る』

ということをやっています。

例えば、

今年(2013年)のバレイタインには、
小布施堂(長野県)の人気商品
『栗鹿ノ子』のバレンタインギフトを
プロデュースし、

渋谷PARCOさんなどで販売させて
いただき、おかげさまで
前年比の5倍近くの売上を
あげることができました。

この活動は、フジテレビさんの
『ニュースJAPAN』に
取り上げられるなど、

テレビや雑誌、ネットメディアなどで、
大変、大きな反響をいただきました。



正能茉優さん(以下ま):
『栗鹿ノ子』もそうですが、
地方には、実は魅力的な商品が
たくさんあります。
見た目がダサくて、
いまいち目にとまらないけど。

これからも、そうした商品を
地元の企業さんと相談しながら
かわいく変身させていき、

商材を入口に、
地方のファンを増やしていきたい

と思ってます!


obusedoh



---

「間違えたー!!」

---

―素晴らしいね!ふたりは、
どういうキッカケで起業したの?



み:2年前、長野県の小布施町で、
『小布施若者会議』を企画・開催した
ことがきっかけですね。



―もともと、まちおこしとかに
興味があったの?



ま:全然(笑)



―そうなんだ。何で参加したの?



み:ふたりとも、教授の紹介で。

『地域づくりインターン』というので
軽いノリで参加してみたんですが、

すぐに、
「うわ、間違えたー!!」
って思いました。



ま:思ったよね(笑)



―なんで?



ま:いや、いつも通り
ワンピースにヒールで行ったん
ですけど、なんか浮きました。

それから、電波がない。
夜8時になると、外に人がいない。
ホテルもないから、
寝るのは役場のソファー。

あと、インターン生は
私たち以外みんな男の子で、
 
しかもみんな、『まちづくり』が好き
とか言ってる子ばっかりなんですよ。

まゆそんなの興味ないのに!



―いやいや、『地域づくりインターン』
なんだから、当たり前すぎでしょwww



obuse (2)
小布施にて



ま:なんだかんだインターンの後も、
「何か面白いことできたらいいね」
ということで
 
月に1回は小布施に行ってましたが、
最初は電話代とか交通費も自腹でしたし
つらかった!(笑)



でもある日、なんとなく
ダボス会議がやりたくなって。

じゃあ、全国の若者を集めて
小布施で学生版のダボス会議
でもやってみるか、って思ったんです。

それで『小布施若者会議』なる
イベントの計画を始めたんですけど、

その計画を町長に話したら
「手始めに全国から250人学生集める!」
とか言われて
 
「嘘でしょwどうやって?」
って途方にくれましたね(笑)



―その意識でよく続いたね・・・。



み:運営は3人しかいなかったから、
私たちでやるしかなかったですね。

町の人のあたたかさに惚れた、
ということもありますけど。



ま:あと、私たちは、
小布施の方々からは
『東京のおかしい女子大生がきた』
と可愛がってもらってたので
 
なんだかんだで楽しかったですね(笑)

いつも東京で遊んで、そのまま
ワンピースとヒールで行っちゃうから、

向こうの人が心配して
ジャージとか届けてくれてました(笑)



―良くも悪くも?
異色のインターン生だったんだね。



ま:まゆたちは、
もともとまちづくりは素人で、
変なの!って思うことは『変なの!』
とハッキリ言っていたので、
それが逆に良かったのかも。

まちづくりに関わる方々は
みんな一生懸命で、
町への愛が溢れてて、
個人的には大好きなんですけど、

いろんなものが、
東京の女子大生には
受け容れ難いデザイン
だったりすることも多くて。

当時からそのあたりの違和感は
遠慮なく本音でぶつけてましたね(笑)



―「月1回は行ってた」
ってことだったけど、

長野県の小布施には
どれくらいの期間、通ったの?



み:2年半通いました。

当たり前ですが、地域には
独特のコミュニティーがあって

そう簡単には仲間だとは
認めていただけない
んですよね、学生だし。
 
中途半端な気持ちじゃない
ということを証明するためにも
2年半は通いました。



obuse
小布施にて(2)



---

「なんでこいつ泣いてるんだ。絶対やだ」

---

―ところで、二人は前から知り合いだったの?



み:話したのは小布施が初めてです。

その前にも、見かけたことはあって、
そのときは、彼女、先生に怒られて
大学の大教室で
発表中なのに泣いてました(笑)

(大学生にもなって)
「なんでこいつ泣いてるんだ。
絶対やだ」
って思いました(笑)



―(笑) まゆちゃん、
なんで泣いてたの?



ま:私の発表を聞いていた先生が
偶然にも、私のAO入試の
書類の内容を知っていた
先生だったのですが、

「入学して3ヶ月たったけど、
入試の時と変わってないね。

成長しないなら、SFC辞めて
って言われて。



―うわ、厳しい。

でも、ちゃんと見てくれている
ってことが伝わってきて、
愛がある感じではあるね。


み:いい先生なんですよ。
2人とも、
その先生のことが大好きで、
その先生のゼミに入りました。(笑)



―それで、二人は小布施で再開する



み:小布施で会ってからは、
すぐに仲良くなりましたね。

そもそも、女の子がいなかったし、
同志みたいな(笑)

 


山本峰華さん



―もともと、ふたりはまちおこしや
まちづくりには興味が無かった
ということなんだけど、

どういう道を歩んできたの?


み:私は、それまでやってきたことで
関係があることと言えば、

おじいちゃんと
茶道をやってたことくらいですね。

でも、3.11がキッカケで
人生が大きく変わりまして。

それまでは、
結構血迷っていて(笑)

1年生の時に入ったサークルは
『国際協力』といいながら、
旅行行っているようなサークル
でしたし、

アナウンサーを目指して
学校に通って、
ずっと発声練習してました。


―うーん。悪くはないけど、
わかりやすくハリキリすぎて、
4月病みたいな感じだった
んだね(笑)



み:血迷ってました(笑)

で、そのうちに
アナウンサーじゃないな、
って思って、

方針転換して始めた
家庭教師の営業のバイトで
地獄を見ます。

なんか、気づいたら私以外、
みんな屈強なプロの契約社員
みたいな方なんですよ。

みんなそれで生計を立てている。

そういう人たちの中で
完全歩合制で契約を取らなければ
いけない。

これまた、
家庭教師を派遣する会社と
訪問先のご家庭の間に挟まれる
辛すぎる仕事だったのですが、

「とにかく1年間やりなさい」
という父の教えを守って
とにかく頑張っていたら、

気づいたら普通の社会人よりも
稼いでいました。

この仕事のお蔭で
3年生の時はバイトをしないで
過ごすことができたのと、

社会の厳しさの一端を
身を持って体感することができた、
という感じでした。



―血迷っている間に、
理想と現実の両端を見た、
という感じだね。

その頃に、3.11を迎える?



み:はい。

その頃、小布施にはもう行っていて、
3月11日も、ちょうど小布施に行く
予定の日でした。

今ではNPOになった『Youth for 3.11』
の運営メンバーになって、

全国の若者が被災地で
ボランティアするための

プラットフォーム作りをしました。

そこで今まで会ったことのない
優秀な先輩とかに会って、
一緒に運営して、

ただの大学生でも、
世の中にインパクトを残せるんだ!
と思いましたね。



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正能茉優さん



―茉優ちゃんは?
日本とか地方ってモノに触れる
機会は多かったの?



ま:まゆ、お琴はずっと習ってましたよ!
ママも妹もお琴弾きます。

だから、着物とかも普通に着てたし。

着物の日は特別でした。
親に傘をさしてもらえたりして。

あと、私は普段、
テレビや映画などを観ても
ほとんど泣くことがないのですが、
やはり東日本大震災の時の
津波の映像を見た時は、
初めて涙が頬を伝いました。

私って、やっぱ日本人だ――
改めてそう思ったり。

『日本』を感じる機会というと
それくらいですが、

後は、ちっちゃい頃から
こんぺいとう屋さんになりたかった
んです。



―・・・・・・はい?(笑) 



こんぺいとうやさんって
日本に1軒しかなくて、

そこの技術が
門外不出だったので、
そこの息子さんと結婚しようって

ずっと思っていました!

あとは、社会に触れて
何かを発信する機会には
恵まれてたかもしれません。

小学生の時からずっと、
読売新聞の子ども記者
をやっていて、

その後も、
社会問題を扱う本のゴーストライター
とかもやったり、

衆議院議員さんの学生秘書も、
勉強になりました。

あと、恋愛ゲームの
シナリオライターやってみたり!



―そんな二人が、
小布施で出会ったんだね。

『地域づくりインターン』なのに、
ワンピースとヒールで(笑)


つづく


(写真提供:ご本人)



(編集後記)

伝統芸能に触れつつ
社会問題を伝えてきた
正能茉優さんと、

今どきの大学生らしく
試行錯誤しながら
震災を機に意識が変わったという
山本峰華さん、

別々の道を歩んできた二人は
長野県の小布施で出会い、

地方の魅力と都会の女子の
出会いづくりという
共通の目的に向かって
進んでいった――

『間違えた!』から始まる
冒険譚は、
私たちにも何かを教えてくれる
気がします。

次回は
いよいよ、起業後の物語を聞きます!

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新卒外資コンサルを経てIT企業経営者となった著者が現在進行形で学習・実戦中の戦略・組織論やサブカルやネット関連動向などの備忘録。中二病注意。
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